国民年金(老齢基礎年金)の受給開始の繰り上げ・繰り下げ
《繰り上げ受給の「損益分岐年齢」は、「プラス16歳8ヶ月」》
老齢基礎年金の受給開始年齢は65歳からですが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に1ヶ月単位で繰り上げて受け取れます。
ただし、繰り上げると65歳の受給額から1ヶ月あたり0.5%、1年で6%が減額されます。
繰り上げた場合の支給額は一生涯変更できません。ですから、年齢を重ねるうちに65歳からもらった人との総額で逆転されます。
繰り上げ受給の「損益分岐年齢」は、請求時の年齢に16歳8ヶ月を足した年齢です。この年齢を超えると、65歳からもらう人の受取総額を下回ってしまいます。
《繰り下げ受給の「損益分岐年齢」は、「プラス11歳10ヶ月」》
66歳から70歳になるまで国民年金を繰り下げてもらうこともできます。
この場合、65歳でもらうより1ヶ月単位で0.7%、1年で8.4%増額されます。最大5年間(60ヶ月)、70歳まで待つと142%の増額となります。
繰り下げ受給の「損益分岐年齢」は、請求時の年齢に11歳10ヶ月を足した年齢です。受給年齢を70歳にした場合、81歳10ヶ月以上長生きすると65歳からもらう人の受給総額を抜きます。
《国民年金の繰り上げ、繰り下げの受給率》
質問:70歳に繰り下げしていて68歳で亡くなったら丸損?
答え:いいえ、本来65歳から受け取るはずだった年金なので、亡くなった方への未支給年金をさかのぼって遺族が受け取ることができます。ただし5年前までの分に限られます。
厚生労働省が2018年に発表した「2017年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、「繰り上げ」の受給率は12年度には40.2%あったが、年々減少して17年度は32.3%。65歳からもらう「本来」は年々増加して66.3%。「繰り下げ」は1.5%となっている。
(西日本新聞 老後に入ってくる「大切なお金」公的年金の仕組みより)
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