借主が高齢者であることを理由に賃貸借契約を拒否できますか?
《質問》
入居を希望してきた男性と、面談のうえ賃貸借契約を締結したところ、後日になって、実際に入居するのは、その男性の父親であり、この父親が契約者であることがわかりました。高齢者は住宅の管理上不安があるので、できれば入居を拒否したいのですが、そのようなことはできるのでしょうか。
高齢者である契約者が死亡した場合は、契約を解除できると定めることは可能でしょうか。
《解説》
貸す側にとっては、高齢者のみの利用には住宅管理等の心配は否定できません。
しかし、高齢者だというだけで入居を拒否できるとすると、高齢者の住居が確保できなくなり、社会問題化する可能性があります。高齢者といっても、信用の高い人や健康に問題がない人もたくさんいます。その意味では、高齢者というだけで一律に契約を否定するという扱いは合理性が乏しいといえます。現状では、高齢者の入居を断ったとしても直ちに法的問題は生じないと思いますが、将来的には検討が進められる余地があると思われます。高齢者社会を迎えるにあたり、高齢者の1人暮らしや住居の問題は、社会問題として深刻になっています。
《答え》
裁判例としては、人違いを理由に契約を無効とし、入居を拒否できるとした例もありますが、事情によっては、明確に問題がない限り入居を拒否することは困難で、場合によっては損害賠償責任を負う可能性がないわけではありません。
本件では、契約者が息子であると思っていたのが高齢の父親であったという人違いの例で錯誤無効といえるでしょう。しかし、契約者が息子であり、実際の入居者が息子が扶養する父親という場合であれば、人違いでもなく無断転貸でもなく、契約の際、「息子自身が入居する」との明確な約束がない限り、入居を拒絶することは難しいと考えます。
賃貸借契約も相続の対象となりますので、死亡を原因として契約を当然に解約できるという条項は、借地借家法より無効となります。
《担当者から》
弊社がお付き合いさせていただいてます地主さん方も、賃貸経営をされている方がほとんどです。
ただ、今のご高齢の方々は、とても健康的でお元気な方が多いです。
私の方が、動きは年寄りかも。
賃貸経営ををされている、どの地主さんも、年齢などではなく、まずはお会いしています。
他にも不動産に関しまして、気になることがございましたら、お気軽に弊社にご相談いただければと思います。
(参考文献:新日本法規)
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