土地建物の相続登記が義務化
3年以内に登記申請 住所変更等の登記も義務化
所有者不明土地の発生を防ぎ、資産流動化へ
所有者不明土地とは、不動産登記簿などの所有者台帳では所有者が直ぐには判明せず、判明しても所有者に連絡が取れない土地のことを指す。
登記名義人が死亡して数代にわたって相続登記がされていないために、相続人が多数になり所在が分からなくなっている土地や、登記簿にすべての共有者が記載されていない共有地などだ。
所有者不明土地問題研究会の調べによると、その規模は土地面積で約410万ヘクタール、九州全土よりも広いと推計されている。
所有者が不明なことから公共事業での事務処理が煩雑になりコスト高にも。
また、災害対策にも支障が出たり、空き地の放棄は風紀や衛生上の問題もある。
さらに、不動産活用が円滑に進まないなどの問題が指摘されている。
そこで、今回の法改正では、土地の所有権の登記名義人の相続が発生した場合には、3年以内に相続登記を義務化することが大きな柱となる。
申請を怠ると10万円以下の過料を課される。
また、相続登記は相続人が複数だと全員の戸籍など必要な書類を揃えなければならず、負担が重かった。
今回、不動産登記法を改正し、相続人のうち、ひとりが申請すれば簡易的に手続きできる「相続人申告登記」制度を創設する。
これは相続発生と相続人のひとりを公に知らせる狙いがある。
相続人が確定した時には、相続人の名義変更は義務となる。
また、所有権の登記名義人は、氏名や住所の変更があれば2年以内に変更登記の申請も義務化される。
こちらも申請を怠ると5万円以下の過料となる。
相続などで土地の所有権を取得した人が法務大臣の承認を受けることで、所有権を国庫に帰属できる制度も創設する。
これまで認められなかった土地所有権の放棄が事実上可能になる。
各地の法務局による審査を経て10年分に相当する土地の管理費を納めれば可能となる。
主な概要
土地・建物の相続登記を義務化
相続開始から3年以内に相続登記しなければならない。
登記しなければ10万円以下の過料
相続人申告登記制度を創設
相続人が複数いてもそのなかの一人が申請すれば簡易的に手続きができる。
土地所有権の国庫帰属制度を創設
一定の条件の元、相続した土地を国に引き取ってもらえる。
10年分の管理費を支払う。
変更登記の義務化
すべての土地所有者に対し、住所変更などあれば2年以内に変更登記を義務付ける。
怠れば5万円以下の過料
今までは、相続をされてもそのままの方が多かったと思います。が、まだ少し先ではありますが、これからはそういうわけにもいかなくなってしまいます。
土地売買の前に、海外にいる身内の方に連絡を取ってもらったりと、バッタバタしていたのですが、そういうこともなくなりますね。
相続登記はされていても住所の変更をされていない方も多くいらっしゃいます。
そのような方もお引渡しの際に、一緒に変更登記をさせていただいていたのですが、こちらも2年以内に変更していただかないと過料になってしまいます。
知っている方などには、ドンドンお知らせしていこうと思います。
皆様も今一度、確認してみてください。
こちらの内容は「放夢新聞」に掲載されていたものです。
令和4年12月4日の中日新聞朝刊にも法テラスのQ&Aという形で掲載されていました。
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