分散投資を考える
今回もKINNZAIから投資についての記事が、面白くて解りやすいので、抜粋してお伝えいたします。
「卵の格言」は受精卵でなければ
資産運用を考える時に、リスクを軽減する方法の一つとしてよく言われるのが、分散投資です。
分散投資を説明するためによく使われるのが、「卵は1つの籠に盛るな」という格言です。しかし、これもあまり正確に伝わっていないのではないかと思います。「9個の卵を1つの籠に入れていて、万一落としてしまったら全て割れてしまう。でも3つの籠に分けておけば、万一、1つを落としても残り6個は無事です」
これは本当に十分な説明でしょうか。投資で考えると、9個割れても3個割れても、損は損です。なぜ3個割れるのがいいのか、これでは十分に伝わらないと思います。
しかし、残った卵のその後のストーリーがあれば、どうでしょう。割れなかった6個の卵が将来、ひなにかえって、親鳥になり、また卵を産むというプロセスがあれば、残った卵が利益を生み出すことになります。すなわち分散投資は長期投資と組み合わせて初めて本当の力を発揮することが分かります。
そうなると卵の格言では、「将来、ひなにかえって親鳥になる」という卵そのものも大切な意味をもっていることが分かります。カステラなどの卵製品ではダメですし、受精卵でなければいけません。また冷蔵庫で保管していてもいけません。運用で言えば、「収益を生むもの」でなければいけないのです。
資産クラスで分散投資を言う場合には、株式債権とか、個別株ではグロース株とディフェンシブ株、国内株と海外株といった組み合わせが分散投資の例示としてよく使われます。それぞれの価格の動きが似ているかどうかを示す相関係数が低いほど、すなわち動きが似ていないほど分散の効果は高いといわれています。
しかし、もう一つ、価格そのものが共に上昇する滞在力を持つことも大切なんです。すなわちひなにかえる卵でなければなりません。
勤務先と資産運用先が一緒だった
ライフサイクル仮説では、個人が一生涯に消費できる「所得の総額」の現在価値を想定して、消費行動を行うという考え方を前提にしています。若い時代には消費を上回る所得を稼ぎ、その余剰を資産形成に回す。高齢になってからはその資産を取り崩して消費に回すといった行動を説明する理論です。
この前提には、生涯所得を稼ぐ、人的資産の前提があります。人的資産を現金化するプロセスが勤労だとすると、働く会社とそこから生まれた金融資産を運用する先が同じであることは、人的資産と金融資産が分散されていないことになります。意外に危険なことです。
もちろん自社株買いを否定するつもりはありません。一般に自社株買いは手数料がかからなかったり、補助金があったりと、資産形成には大きな力になりますので、これを使わない手はありません。ただ、これだけに頼ることはリスクを軽減できていないということです。他の金融資産も同時に保有することを考えるべきです。
あなたにとって財産とは
「あなたにとって財産って何ですか」と聞くと、「それはやっぱり家族だ」と答える方がいます。うれしいことです。
ではその財産は分散されていますか。こんな聞き方は不謹慎かもしれません。しかし住んでいるところ、職業、習得している技術・ノウハウ、使える言葉などが分散されているといいかもしれません。地震が起きた時に助け合えるためには一緒に住んでいない方がいいかもしれません。業界の浮沈はいつの時代にもあることですから、万一の時には違う業界の方が助け合えるかもしれません。
退職後のために時間も分散
資産分散という考え方を、投資だけではなく、もっと広い視点で考えてみると、さらに大切な資産があることに気が付きます。それは、時間です。
退職に向けて資産をつくり上げるという話をすると、「退職後の生活を楽しくするのはお金だけじゃない」と反論されることがあります。そう、楽しみの部分をつくり上げるために、現役時代のどこかの時点から自分の大切な時間を分散させて、楽しみにのめり込んでおくことも必要なのかもしれません。
残念ながら私は、この点だけは分散投資ができていません。定年になっても時間の配分は100%仕事にとどまっています。
私も仕事と趣味が一緒です。今は気付くと他事をしていることも多いですが。何か素敵な趣味などを、今のうちから見つけておくといいのでしょうが。
皆さんは、没頭できる趣味はありますか?
毎週末が待ち遠しいほどの趣味などあると、より毎日楽しく過ごせるんだろうな。と思います。
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