menu

個人金融資産ではなく個人資産で考える

不動産売却は各務原市・川島町不動産売却ドットネット エフケーホーム

各務原市・川島町の不動産売却は【各務原市・川島町不動産売却ドットネット エフケーホーム】へ

サイトマップ 会社情報

☎︎0586-89-4152

営業時間:10:00〜19:00

個人金融資産ではなく個人資産で考える

日本人は農耕民族なのでリスクを取らないのか?

 

 「なぜ日本人はリスクを取りたがらないのでしょうか」という質問をよく受けます。そしてその答えとして「国民性」を挙げる人も多いように思います。そう、狩猟民族である欧米と違って日本人は農耕民族だからといった指摘です。

確かに、個人金融資産に占める株式・有価証券の比率を日米で比較すると、米国48.0%で、日本は14.9%と大きく日本が出遅れていることが分かります。しかし、それを本当に国民性と言っていいのでしょうか。

 

個人金融資産はバブルの崩壊を映していない

 

 ここで毎年発表される国民経済計算のデータを使って個人の保有する資産、すなわち金融資産と土地の総額を算出して分析してみます。

 ちなみに、国民経済計算でみると個人金融資産は2017年で1900兆円くらい。これに個人が保有する土地の評価分が700兆円強あって、これを加えると約2600兆円が個人の保有する資産です。

 1980年から40年間の推移をみてみると、特徴的な分岐点は、やはり1990年、バブル経済のピークでしょう。現金・預金、有価証券、保険・年金準備金の合計は1980年の354兆円から1990年の994兆円までの間に2.8倍となり、増加額は650兆円でした。一方1990年からの27年間でも900兆円増えて、2017年には1901兆円となりました。

この数値だけみると、1990年以降のバブル経済崩壊で、個人金融資産全体は伸び率こそ鈍化していますが、それほど大きな問題であったという印象は薄いように映ります。

 次に個人金融資産の内訳をみると、1980年では現金・預金は全体の60%を占めており、90年でも47.9%でした。現在の構成比は50.9%です。有価証券も1980年に70兆円、1990年に261兆円、2017年で354兆円と増加しています。バブルのピークで少し有価証券が上昇していますが、ほぼ20%弱の水準で推移しています。

これらの数字をみるとバブル崩壊の傷跡はそれほど大きくないように映っています。

 

個人資産でみると「土地神話」から「現金神話」へ

 

 個人の保有する土地の評価額はどうでしょう。1980年は476兆円、1990年は1485兆円、そして2017年は709兆円です。こちらはバブルの形成とその崩壊でかなり大きな変動があったことが分かります。バブルの崩壊で評価額は半減です!

 この評価額と個人金融資産を合計して、「個人資産」として、その流れをみるとその変化がよく分かります。1980年の個人資産総額は830兆円、1990年は2479兆円、2017年は2611兆円。1990年から個人の資産総額はほとんど増えていません。これがバブル経済崩壊の残した一番大きな爪痕、「約30年間、日本の国民の富が全く増えなかった」ということです。

 1980年の個人資産に占める土地の比率は57.4%でした。それがバブルのピークの1990年では59.9%でした。バブルの経済下では日本人の資産の6割ほど土地を組み入れて、その値上がりを個人資産の拡大につなげていました。それが1990年代に入って大きく方向転換します。土地の価格が急低下を始めたことから資産の評価額は大きく下がり、個人資産に占める土地の比率は2017年には27.2%にまで低下しました。土地神話とその崩壊といっていいでしょう。

 その一方、構成比を高めたのが現金・預金です。個人金融資産の中では現金・預金は6割近い構成を維持していましたが、土地を含めた個人資産でみると、現金・預金の比率は1980年の25.7%から1990年には19.2%に下がり、バブル崩壊で反転し2017年には37.1%にまで高まっています。その間に、2004年あたりで現金・預金の比率が土地の評価額を上回り、個人の保有する№1資産となりました。「個人資産」の中では、土地から現金・預金へと構成がシフトし、土地神話から現金神話へと変わったわけです。

 

単資産化はリスクを高める

 

 さてここで最初の質問、「日本人はリスクを取らないのか」に戻ってみましょう。国民経済計算のデータから、長期視点に立つと土地評価額はかなり大きいことがわかります。リスクを変動だとすれば、個人資産に6割も土地を取り込んでいた日本人は、もしかするとリスクを取る傾向が強いかもしれません。

 ただ、本当の課題はどの資産がリスク資産なのかを簡単に言い切れないところです。1980年代には土地をリスク資産とする見方は少なかったと思います。下落して初めてこの資産の持つ力と怖さが理解されたわけです。だからこそ土地の次に向かったのが、値下がりしない神話の現金・預金だったのです。果たして、現金・預金はリスクはないのでしょうか。

 「インフレが起こると、現金・預金の実質的な価値が下がる」とよくいわれています。しかしその間もデフレが継続していて、その言葉が力を失っているようにも思います。しかし、本当に必要なことは、どの資産にも多かれ少なかれリスクは存在する。だからこそその資産を単一に偏らせない「資産配分」が重要になるわけです。4割に近づいた現金・預金はその大きさゆえに新しいリスクをはらんでいるようにも映ります。

 

 

 KINZAIに掲載されていた記事から一部を抜粋して掲載いたしました。

各務原市・川島町の不動産売却は【各務原市・川島町不動産売却ドットネット エフケーホーム】へ

〒501-6022 岐阜県各務原市川島松倉町2502-1

宅地建物取引業者免許 岐阜県知事(1)第5305号

営業時間:10:00〜19:00 定休日:不定休